ガバメント ロングリコイルスプリングガイド
- kazagake
- 2016年7月28日
- 読了時間: 4分
以前から温めていた東京マルイガバメント用のロングりコイルスプリングガイドを製作。
私流の部品作りの初めはアイデアと構想から。
取り付けたい部分の採寸・寸法の設定。
簡易図面をおこし、製作工程の考察、素材の決定。
基本的にはこんな段取りですが、作る物ややる気によってかなり前後したり省略されてりしますが・・・
そんなこんなでいざ製作!
素材はステンレス鋼ですが、いわゆる一般的な18-8ステンレスまたの名をSUS304ではなく、
NC工作機などの量産目的で仕様される事が多い快削ステンレス鋼 SUS303と言う素材で作ります。
快削ステンレス鋼とは何ぞや?と思われる方もいるかもしてないので簡単な説明を。
SUS304では素材の硬さと粘りによって機械加工や穴あけ加工、曲げ加工がなかなか困難で、切削中の熱で膨張して本来意図している寸法より削り過ぎてしまって、冷感時の寸法が足りないとかそんなんで泣かされたりしました。
剛性の高い大型加工機などでクーラントを使いながら、良い刃物を使えばは304の加工はそれほど困難ではないのでしょうが・・・
その硬さと粘りを少なくする為、304にりんや鉛などを添加し被削性を向上させたステンレスがSUSU303なのです。値段は304と変わらないか若干高い位だが、加工のしやすさと加工時間、刃物の寿命などを考えると決して高くない。素材的にもベースは304なので耐食性とか強度は遜色ない位。
ただ、海水や強酸性の液体中はNGみたいです。それ以外はOKという素敵素材。
うちの様な弱小工房の小型汎用旋盤では出来なくは無いが小型機なので剛性は足りないし手間と時間とお金がかかるので、大変重宝しております。
一般に削り出し部品はSUS304と銘打ってない限りほとんどがこのSUS303で作られたりしています。
エアガンのカスタムパーツもバイクのカスタムパーツもほぼこれ、見分けがつかないので。
素人にはわかりませんし、私も見分けがつきません。
ステンレス鋼は鉄やアルミもそうですが、混ぜる添加物や含有量、炭素の割合などの違いでそれはまぁ嫌になるほど種類があり多すぎて覚えられません。
オーステナイト系とかマルテンサイト系とかフェライト系とか金属組織の違いによっても別けられるので、素材表を見ていると面白いですが、眠たくなります。
磁性のあるステンレスもあります。
とまぁ金属素材の話はまたどこかで記事にしたいのでこの辺にしておきます。
そしていきなり完成!

なかなか良く出来てるでしょ?(自画自賛)
ノーマルガバメントはブッシュが非貫通なので貫通仕様のブッシュも合わせて製作しました。

ホールドオープン状態の外観

ピッチリ作ってみました。
ブッシュとスプリングガイドのクリアランスは片側0.025mmで直径差は0.05mmで作っています。
それ故に単品で少しでも斜めに動かすと引っかかって動かなくなります。
組み込んだ状態にすると、スプリングガイドのセットピンとのクリアランスもガタが無い様に作っているのでスプリングピン自体は遊びません。
なので半固定されたスプリングピンとブッシュもスライドに組み込んだ状態だと位置関係は常に平行になるので斜めに動く事は無いので作動不良を起こす事は無いです。
鉄より比重の重たいステンレス鋼でノーマルの短いガイドよりも金属部分が増えた事で、前後バランスが良くなって良い感じになりました。
見てくれもカスタムっぽくなってカッコ良いです。
作動もスプリングの伸縮時の振れを制限して真っ直ぐ動かす様に出来るので作動性も向上しています。
まぁ若干ですが。
スプリングガイドに円陣家至高QDGを薄く塗ってやれば、ヌルヌル動きます。
既製品のスプリングガイド分割タイプの製品は撃ってる最中緩みそうなのと変な穴が空いているのでどうにも買う気になれませんでしたので、作ってしまいました。
組み込みには若干のコツが要りますが、誰でも簡単に出来る程度。
ただ量産品と比べで商業ベースで考えるとどうしても製作コストが上がるのが難点。
最もこんな弱小工房じゃ量産なんて無理な話ですが・・・
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